M字ハゲは、AGAの症状の一つです。AGAとは、Andoro Genetic Alopeciaの略で、男性型脱毛症のことです。実は、成人男性の薄毛の約90%がAGAです。AGAは、額の生え際から後退していくM字ハゲと、頭のてっぺんから薄くなっていくO型又は、その両方が薄くなっていく3パターンがあります。M字ハゲのメカニズムと原因について調べてみましたので、参考にしてみて下さい。
目次
毛根は死んでいない
よく、地肌がかなり出た状態で、毛根が死んでいるとか、機能していない、と言う人がいますが、毛根部は死んではいませんし、挫滅している訳でもありません。髪が細く短い状態で、抜けてしまって髪が徐々に体毛化してくるのが、AGAの特徴です。
髪が細くなる
M字ハゲになってくると、だんだん髪が体毛に近い太さ・長さになっていくのですが、健康な髪は70~80ミクロンの太さがあるのに対し、薄くなった髪は30ミクロン以下で、目には見えない太さとなります。健康な髪は、5~6年もの期間をかけて、太く長く成長し寿命を迎えると、自然に抜け落ちます。そして、次の新たな毛髪が生えてくるという生え変わりのサイクルを繰り返します。
本数は変わっていない
ですから、M字ハゲが進行した部分も、決してヘアサイクルは停止していないのです。ただ、M字ハゲは毛髪が十分成長できず、まるで体毛のような細く短い状態のまま、抜けては生える繰り返しになるのです。つまり、毛が細く短くなったために地肌が透けて見え、毛が無いように錯覚してしまうのですが、実は毛はしっかりと生えていて毛の本数はほぼ変わらないのです。
ジヒドロテストステロン
では、何故このような状態になってしまうでしょう。頭皮には、種類の違う2種類の髪が生えています。目で見ると同じに見えるのですが、実は構造が異なります。一番深い部分にある毛乳頭の近くにある、髪を作る素の細胞には、5aリダクターゼという2種類の細胞があります。
実は、5aリダクターゼには、タイプ1とタイプ2があるのですが、タイプ2の方が悪さをするのです。テストステロンという男性ホルモンが、毛乳頭にある2型の5aリダクターゼに遭遇すると、ジヒドロテストステロン(DHT)に変化して毛母で悪さをして、髪を作れないように働いてしまいます。生殖器や筋肉など、男らしさを作り出すテストステロンが、毛根に存在している5aリダクターゼという酵素の働きによって、DHTという悪玉ホルモンに変化してしまうのです。
この悪玉ホルモンが、毛母細胞の働きを抑えてしまうので、髪が成長しきらないまま脱毛してしまいます。因みに、悪玉ホルモンに変えてしまう酵素は、前頭部と頭頂部だけに存在します。だから、M字ハゲやO字ハゲになる男性が多いのです。何故、この酵素がこの部分に存在するのかは解明されていません。
遺伝
ハゲ方には、早い段階で薄くなる人と、年を取っても髪が残っている人がいます。それは、毛根の細胞のレセプターの感受性に、差があるのが原因だと言われています。ですから、DHTが溜まっても少量で影響を受ける人と、DHTに強い人がいるのです。薄毛は遺伝すると思われていますが、実は遺伝の確率は1/4の影響力となります。薄毛になる遺伝子は、X遺伝子にのっています。X遺伝子を父親と母親のどちらから受け継ぐかによって、ハゲを遺伝するか否かが決まります。母親のX遺伝子であれば、ハゲる心配はないと考えるのは間違いで、母方の祖父や伯父が薄毛であれば25%薄毛が遺伝します。母方にM字ハゲの祖父や伯父がいて、自分もM字ハゲの気があるとしたら、遺伝の可能性が高いので、早いうちから対策をする必要があります。もちろん父方の親戚にも同じことが言えます。
M字ハゲの原因となる習慣
デスクワークが多い
M字ハゲの原因は様々です。体質的に元々頭をよく使っている人や、長時間デスクワークをしている人は、眼精疲労になって肩こりになりやすいです。そうなると、心臓から上に血液が流れる時に、上手く流れなくなってきます。頭皮の血流が悪くなると、頭皮に良いとされるサプリを摂取しても、栄養が届きにくくなります。頭皮のすぐ下には頭蓋骨があるため、頭皮は元々温度が低い箇所なので気を付ける必要があります。また、デスクワークをしていると、頭頂部が硬くなりやすい傾向があります。M字ハゲは、前頭骨という箇所が硬くなる傾向があります。目に付いている筋肉は前頭骨周辺に向かって付いているので、前頭骨を軽く揉み解してあげると、目の疲れが取れるだけでなく、頭皮がだんだん柔らかくなって、血流も改善されます。
食べ過ぎ
ファストフードや外食が多く、食べるが好きで体型的にも太っている人は、皮脂の分泌が過剰になりやすいため、毛根に皮脂が溜まりやすく、M字ハゲになりやすいです。そして、沢山食べることで、血中の中性脂肪が増えて、血流が悪化し髪に栄養が行き渡らなくなります。肉や魚は、頭皮や髪の原料となるたんぱく質が豊富に含まれていますが、食べ過ぎると腸内で悪玉菌の餌となり、腸内環境を悪化させてしまいます。腸内環境が良いと、栄養分が腸で影響がしっかりと吸収されて、血流に流れて頭皮へと栄養を運ぶことができます。それに、セロトニンの分泌も促進されて、自律神経を整えることもできるのです。
飲み過ぎ
適度な飲酒は、血行も良くなりストレス解消にもなります。しかし、過剰なアルコールの飲酒は、肝機能を低下させます。アルコールを分解する際には、アミノ酸が使われます。髪の主成分は、ケラチンというタンパク質ですが、このタンパク質を構成しているのがアミノ酸なのです。そのため、過剰な飲酒は髪の生成にも悪影響を与えてしまうのです。お酒を飲み過ぎると、血糖値が上昇し血液がドロドロになります。そうなると、当然、頭皮の血流が悪くなり、髪に栄養が届きにくくなります。また、アルコールによって眠りが浅くなりDHTが増えて、M字ハゲになる原因となります。
喫煙
喫煙によって、体内のビタミンCが破壊されます。活性酸素を除去したり血流を改善するビタミンCが無くなると、血流が悪化して髪に栄養が行き渡らなくなります。それから、タバコに含まれるニコチンは、血中の中性脂肪を増やす働きをするので、やはり血流を悪くして毛髪に悪影響となります。ビタミンC不足は、頭皮のターンオーバーにも良くありません。
睡眠のリズムが悪い
肩や首がこると、背骨に沿って走っている自律神経を圧迫し、自律神経が乱れやすくなります。自律神経が乱れると、寝付きが悪くなり不眠に陥ってしまいます。睡眠中は、成長ホルモンが分泌され、細胞の再生が促進されます。ぐっすり眠ることができないと、成長ホルモンの分泌がしっかり行われず、毛根にも悪影響となります。生活のリズムを整えて、アミノ酸の一種であるトリプトファンを多く含む食べ物を食べて、睡眠ホルモンと言われているメラトニンを増やすようにしましょう。それから、寝るギリギリまで食べていると、睡眠中も内臓が動いて、熟睡することができません。食べても眠れると思っている人が多いですが、熟睡することができず、体に大きなストレスを与えているのです。
運動不足
運動不足が続くと、血行が悪くなるだけでなく、リンパの流れも悪くなります。リンパに老廃物や脂肪が溜まると、頭皮の新陳代謝が悪くなってしまいます。適度に運動をするとコラーゲンの生成が促進されて、頭皮や髪の栄養となるアミノ酸を確保することにも繋がります。
まとめ
如何でしたか?
髪のためにいいことは全て体そのものの健康に繋がるものばかりでしたね。
体と心の健康を保つ毎日の努力が、ひいては髪の健康に役立ちそうです。
暴飲暴食を控え、適度な運動を心がけましょう。
そして家系にハゲの遺伝要素がありそうなあなた、遺伝だからしょうがないと諦めるのではなく、
早めに対策ができてラッキーと捉え、日々努力を重ねましょう。
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